日記

2023-04-08 11:22:00

橘の花

隠れ家の室内で育てている橘の花が咲きました

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たくさんつぼみが付いているので、長く開花を楽しめそうです

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花は柑橘らしいスッキリとした香りに、ほんの少しの苦味を感じます

 

五月待つ 花橘の香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする(古今集・巻3 夏歌139 よみひとしらず)

 

五月を待ちかねて咲く橘の花。その花の香をかぐと、昔愛していた人の袖に付いていた香と同じ匂いがして、その人のことを懐かしく思い出す。

橘の花香を題材にしたこの歌が詠まれたのは、平安初期あるいはそれ以前の奈良期。醍醐天皇の命により編纂され勅撰集・古今和歌集が成立したのは、905(延喜5)年頃ですが、この歌集には万葉集から洩れた古い作品も収められています

古典和歌には表現の型があり、この花橘を詠んだ歌も、この古今集歌のほか、いくつかの表現の型を継承しながらその後も詠まれていっています。

そして、この歌により「橘=昔、昔の恋=追憶(花言葉)」となっているのです。

 

橘の紋と言うことで考えると、橘の表現はこちらのみ

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橘という植物が、日本の歴史に登場してきたのは、かなり古く、古事記の記述によれば、11代垂仁(すうじん)天皇の時代に、新羅からの渡来人・天日槍(あめのひぼこ)の後裔・田道間守(多遅間毛理・たじまもり)が、理想郷・常世国(とこよのくに)に派遣されて、非時香菓(ときじくのかくのこのみ)を探している記述が最古のものとされています。

この当時、非時香菓は特別な霊薬であり、その実を食べれば不老不死の命を与えられると信じられていました。田道間守は、苦労の末にこれを持ち帰ったものの、すでに天皇は亡くなっていて、食べさせることは出来なかった。

古事記の本文中には、非時香菓は「是今橘也」と記されているため、橘が不老不死の樹と認識されていた、と考えられています。

その後、時代が下がっても、橘が代々の天皇に愛され、平安王朝時代の内裏・紫宸殿の前に、この樹が植えられていたことでも判ります。みなさんもご存じの「右近の橘、左近の桜」です。

そんな吉祥果の橘ですが、古くから言われている「橘」が何なのか・・・。

C.tachibanaが、非時香菓として持ち込まれたとされている「橘」なのか・・・

そんなことを、神道、民俗学などの観点から考察して楽しんでいます。

花が「追憶」「昔」を象徴する「橘」だからでしょうか。「橘」について日本を遡り、「橘」の正体を探っています。

やっぱり、「橘」はC.tachibanaだったよね!となるも良し。田舎に隠れた他の柑橘となるも良し。分からなくて「結局なんやねん」も良し。統べて楽しい萌え時間です。

 

 

カンキツ(柑橘)系の果実の果皮から抽出された精油のグループは、【万人に好まれる香り】とされています。カンキツ調の香りのハーブから抽出された精油は個性的なシトラスハーブ調の香りが特徴。気分転換やリフレッシュ時に良い香りです。

初夏を待って咲くとされる「橘」の花

少し早く夏を知らせてくれたようです。

 

養生的には、夏の養生は前の季節からですので、タイミング的には「それもよし」

夏に備えて、陰を補い、心(心臓や心の役割を担っているもの)を養う生活を心がけたいと思います。

「心」の働きが衰えると、身体に十分に血液が行きわたらず、すみずみまで栄養が届きませんし、精神的に不安になることもあります。

寝付きが悪い、眠りが浅い、落ち着かない、めまいがする、イライラする、手足の裏がほてる、胸がつかえるなどの症状があれば、「養心」する食べ物を摂るとよいとされています。イライラを鎮めて「養心」する食材には、セロリ、トマト、納豆、豆腐、ゆり根、牛乳、ナツメなどがあります。気持ちがふさぐ時には、柑橘類やシソなど、香りも良く、心を養い、気持ちを変えて(調えて)くれる食材も良いでしょう。

長くなりましたが、【夏を知らせる橘の花】

その花を見ながら、そんなことを思いました

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